今宵、”毒”を喰らわんか。至高のジャンク「毒ペペロンチーノ」の儀

貴公ら、ペペロンチーノと聞いて何を思い浮かべる?

お洒落なイタリアンバルで、キンキンに冷えた白ワインなんぞと一緒に出てくる、あの気取ったパスタか? 高級なオリーブオイルが香り、鷹の爪がピリリと効いて、ニンニクのスライスが上品に踊る…

そんなもんは、今日この場では忘れんかい!

ワシが語りたいのは、そんな「陽キャ」の食い物ではない。 もっと我々の魂の奥底、荒んだ心に直接響く、禁断の味… そう、”毒ペペロンチーノ”(通称:毒ぺぺ)の話じゃ!

”毒ぺぺ”とは何か?定義したるわい!

まず、大前提として、ここで語る「毒ぺぺ」は、諸君が知るペペロンチーノとは似て非なるもの、いや、全くの別物であると断言しておく!

お洒落なレストランで出てくる、あの繊細な一皿。あるいは、自分でニンニクをスライスし、オリーブオイルの温度に気を配りながら作る、こだわりの一皿。これらは「本家ペペロンチーノ」と呼ぶべき、由緒正しき存在じゃ。敬意を払うべき相手じゃ。

だが、ワシらが求めるのは、そんな上等なもんじゃない!

ワシらが欲してやまないのは、コンビニのパスタコーナーに鎮座し、あるいはスーパーのレトルトソースの棚で手招きする、あの”もう一つのペペロンチーノ”**…そう、それこそが「毒ぺぺ」なんじゃ!

ここで一つの疑問が浮かばんか?

ナポリタン、ミートソース、カルボナーラ…コンビニやレトルトでも、店の味と地続きの、想像の範囲内の味じゃ。なのに、なぜペペロンチーノだけが、これほどまでに”突然変異”を遂げてしまうのか?

本家が「素材の味を活かす引き算の美学」だとするならば、毒ぺぺは「科学の力で脳を揺さぶる足し算の暴力」!

【香り】 毒ぺぺの儀式は、封を開けた瞬間から始まる。立ち上るのは、オリーブオイルとニンニクの芳しい香り…ではない!断じてない! あれは「ニンニク」という概念そのものを気化させたような、暴力的なまでの臭気じゃ!電子レンジの扉を開けた瞬間、部屋中に蔓延するあのスメル!同居人に「何かヤバいもん食ってないか?」と訝しがられる、あの香りこそが毒ぺぺの狼煙(のろし)なんじゃ!

【見た目】 皿の上で輝くのは、太陽の恵みを受けた黄金色のパスタ…ではない! どこか人工的な黄色みを帯び、得体の知れない油でテラテラと輝く麺の塊。そこに申し訳程度に散らされた、乾燥パセリか青のりか判別不能な緑の粒子。 鷹の爪なんぞという洒落たもんは、辛味の証拠に輪切りでちらほら浮いとるが、味の主導権はとうに油とニンニクに奪われとる。赤い輪っかは、ただその暴力的な旨味の共犯者として沈んどるだけじゃ! この、お世辞にも美しいとは言えんビジュアルこそが、「これからワシは”毒”を喰らうんじゃ」という覚悟を固めさせてくれる。

【味】 そして、一口すする。 …来たか。 口の中に広がるのは、繊細な味のハーモニー…ではない! 油!化学調味料のうま味!そしてニンニク風味!この三つが、一切の遠慮なく味蕾を殴りつけてくる!素材の味?知ったことか!後から追いかけてくる、ピリリとした辛さも、本物の唐辛子由来なのか、カプサイシンの純粋な暴力なのか、もはやどうでもええ! 「うまい」という言葉では表現しきれん。これは、脳が直接「快楽」と認識する味なんじゃ!

体に悪い?知っとるわい! 上品じゃない?当たり前じゃ! だが、それがどうした!このジャンクな味わいこそが、日々のストレスでささくれた我々の心を、唯一癒してくれる聖水(ポイズン)なんじゃなかろうか!

ワシの”毒ぺぺ”道!譲れんこだわり!

毒ぺぺ道を極めんとする者よ、心して聞け! ワシにはワシの、譲れんこだわりがあるんじゃ!

1:毒ぺぺの至高はセブンの冷凍大盛りぺぺロンチーノ

数ある毒ぺぺの中でも、王座に君臨するのはセブンイレブンの冷凍コーナーに鎮座する「大盛りペペロンチーノ」、これに尽きる! あの値段、あの量、そしてあの容赦ないニンニクの暴力! まさに”キング・オブ・毒”じゃ!異論は認めん!

2:コンビニのぺぺロンは大概大盛り

そう、コンビニのペペロンチーノは大体大盛りなんじゃ! 「ちょっと小腹が空いたな」なんて甘っちょろい考えのやつを寄せ付けない、この漢気! 「腹が減ったら黙ってこれを食え!」という、無言の圧力がたまらんのじゃ!

3:だがウインナー、てめぇはダメだ

たまに、気の迷いか、ウインナーなんぞが紛れ込んどる毒ぺぺがある。

喝!

あれは邪道じゃ!毒ぺぺのストイックな世界観を乱す異物でしかない! ウインナーの自己主張の強い肉汁は、繊細な(?)化学調味料の風味を邪魔しおる! 個人的に、ウインナー、てめぇはいらん!

4:逆にベーコンはマストじゃ!

ウインナーはダメだが、ベーコンは別じゃ! カリカリに焼かれたベーコンから滲み出る、あの塩気と脂! これが毒ぺぺのジャンクな味わいを、さらに高みへと引き上げてくれるんじゃ! ベーコンのいない毒ぺぺなど、クリープを入れないコーヒー(古いか)みたいなもんじゃ!

5:追いニンニクスライス、これぞ極み!

そして、最後の仕上げじゃ! 冷凍の毒ぺぺをチンした後、さらに市販のフライドガーリックをひとつまみ…いや、ふたつまみ! これでもかと振りかける! カリカリとした食感と、暴力的なまでのニンニクの香ばしさが加わり、もはや背徳感の向こう側へ到達できる! これぞ毒ぺぺの極み!

さぁ、お主も”毒”をキメる時じゃ

どうじゃ?読みよるうちに、口の中が”毒”を求めてきたじゃろ?

お洒落なペペロンチーノに罪はない。それはそれで、たまに食うと美味いもんじゃ。 じゃがな、ワシらの荒んだ魂を本当に満たしてくれるのは、いつだってこの”毒ぺぺ”なんじゃと、ワシは思うとる。

今夜あたり、近所のコンビニで”毒”を一杯、キメていかんか?

日記

Gemini