深淵からの呼び声、あるいは魂の変異音『ギョゴゴエギー』の儀
静寂を切り裂くように、奴は来た。
耳からではない。 脳幹に直接、叩き込まれるように響く!
『ギョゴゴエギー』
と!
なんだ!これは!何の音だ! 理解しようとすればするほど、正気が削られていく! ヒンギグググゥゥゥ! やめろ!ワシの頭をかき乱すな!
これは宇宙からのメッセージか? それとも、ワシ自身の魂が上げる悲鳴か? 答えなど、どこにもない!
ただ、鳴り響く! ギョゴゴエギー! ギョゴゴエギー!
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…もうよい。
理解など、とうに捨てたわ。 さあ、来い!もっと!もっとだ! ワシの全てを、その音で満たしてくれい!
ボンベロリン!
自我が弾け飛ぶ!
古いワシが死に、新しいワシが生まれる! 細胞が組み変わり、魂が再錬成される! この音は、断末魔であり、産声だったのじゃ!
もはや、ワシはワシではない。 ワシは 『ギョゴゴエギー』 そのものじゃ!
見よ!この変異した魂の姿を!
さあ、世界よ!聞くがよい! ワシの新たな咆哮を!
キィィィィギョゴゴゴゴゴエギィィィィィィィッッ!
これが、新生の挨拶じゃあ!